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    入院中の小児病棟のWi-Fi環境について(2024追跡調査)アンケート調査集計結果

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  2. 助成制度

  3. 小児がん支援情報

  4. 小児がん医療情報

アンケート調査

入院中の小児病棟のWi-Fi環境について(2024追跡調査)アンケート調査集計結果

入院中の小児病棟のWi-Fi環境についてのアンケート調査集計結果

目次

アンケートの概要

アンケートの目的

「小児がん患者会ネットワーク」では、新型コロナウィルス感染症の流行が深刻な状況にあった時期に、感染を防ぐために医療機関によって実施された様々な入院生活上の規制が、入院中の患児やご家族に憂慮すべき影響を与えていることを知りました。

人と人との繋がりを保つため、また、教育を保障するためにも、小児病棟における Wi-Fi 整備の必要性を感じ、2021年(令和 3年)6月に、全国の院内親の会や患者会を通じて、実態を把握するためのオンラインのアンケート調査を実施しました。お蔭様で117名の方々から回答を得ることができました。

さらに、アンケートで得られたデータや自由記述欄に書かれていた保護者の皆様のご意見やご要望を行政 に訴えるため、2021 年(令和3年)10月に、小児病棟におけるWi-Fi環境改善のための要望書を、厚生労働省と文部科学省の担当官に手交いたしました。

このたび、1回目のアンケートから3年が経った現在の状況が、前回の状況からどのくらい改善されているのか、また、コロナ禍を経てオンラインによる授業や前籍校との交流がどのような形で実施されているのか、その実態を知るために、2回目のオンラインアンケートを実施することにいたしました。

アンケート実施者

小児がん患者会ネットワーク
(様々な形態の小児がんに関する院内親の会、地域別親の会、疾病別親の会、経験者の会、NPO 法人等が参加する団体です)

対象者

病名・疾患名は一切問いません(回答は1家族につき1名)
2023年5月〜2024年10月31日までに小児病棟に入院されていた患者ご本人(小学校高学年以上)
または 2023年5月〜2024年10月31日までに小児病棟に入院されていた患者(0 歳以上)の ご家族の方
※時期 10月31日までに入院されていて2024年12月現在入院中の方も含む

アンケート実施期間

2024年11月11日〜12月22日

有効回答数

52件

アンケート結果公表にあたって

回答結果

アンケートのまとめをぜひご覧になっていただきたく存じますが、ここでは、 2021 年のアンケートとの比較でわかった点と、新しく追加した後半のオンライン教育の部分でわかったことなどの概略をお伝えしたいと思います。ただ、回答数が 2021年 117 人、2024年 52人と母数にかなりの差があるために、この比較の信頼性につきましては皆様のご判断にお任せしたいと存じます。

アンケート前半部分の経年比較で分かったこと

小児病棟に Wi-Fi が必要だと考えている人の割合は前回の97%を上回る98%で、Wi-Fi の必要性は保護者の方々の共通認識となっているように思われる。

「小児病棟で Wi-Fi は使えましたか」の質問で、使えたという人が 64%から 81%に増え、接続方法として、「病院の Wi-Fi が利用できた」人は、52 名中 29 名と 1 番多い回答となった。 それ以外の人たちは、前回と同様、自費での携帯ルーターの用意やスマホのパケット通信を利用されていた。

インターネットの活用目的やよかったことについては、音楽や動画を観て気分転換できた、家族や友人と連絡が取れた、という2つの意見が主流な点でも同様な結果が得られた。孤独になりがちな入院生活の中で、友人や面会できないきょうだいともオンラインで会話できることやリフレッシュできる時間を持てることは、治療への意欲や精神面を支えるという面で大きな意味があると考えられる。

入院中の学習については、院内学級や訪問学級で受けたという人が 87%で、前回は自習と答えた人が 4 割近くいたのとはかなり異なる結果が出た。これは、今回、回答が得られた病院に大学病院が多く、院内学級が整備されているところが多かったからではないかと推測される。

オンライン授業を利用していましたか、という質問については、前回の 26%に対して、今回は 42%と増加した。コロナ禍を経てオンライン授業へのハードルが下がってきていると思われる。

・それに関連して、学習用のタブレット端末が貸与された人は、院内学級・訪問学級からと学校・在籍校 からを合わせて 28%だったのが、今回は 53%と増加した。コロナ禍に小中学校の児童生徒のタブレット端末の所有率が急速に高まったからと考えられる。

後半の教育についての新しい設問から分かったこと

( ※後半の質問に関しては、該当者が少ないため、回答もさらに少数となっています。)
・院内学級や訪問学級の授業を受けるために転籍した人は、82%と多かった。ただし、転籍した人で前籍校とオンラインで繋がっていた人32 人中 11 人と 3 割強であった。また、転籍しなかったと答えた 7 人のうち 4 人がオンラインで在籍校と繋がっていて、2 人が週 4 回以上、オンライン授業を受けていたのは驚きであった。

課題

・病棟でWi-Fi が使えたという人が増えたにもかかわらず、通信が不安定・遅かったと答えた人は前回同様とても多かった。場所によって不安定になった、多くの人が使う時間帯にとくに速度が遅くなった、という意見が多くみられた。オンライン授業の際にも、たびたび途切れてしまい、授業に集中できなかったという意見や接続不良な場所では個人的に Wi-Fi を準備しなくてはならず、お金がかかったという回答、また、病院の Wi-Fi は何時間かで切れてしまうが、小さい子にはパスワードの入力が難しい、といったご指摘もあった。

・教育についての自由表記の部分で、院内学級や訪問学級での先生方のご支援に対する感謝の言葉がいくつか述べられていたが、一方では、授業時間が足りない等の課題や復学後・退院後の学習の問題についても、通学できない日にはオンラインで授業を受けたい等、様々なご意見をいただいた。

皆様にはぜひ、自由表記部分のご意見をご確認いただけますようお願いいたします。
コロナ禍を経て、小児がん拠点病院だけでなく、その他の病院につきましても、小児病棟にも Wi-Fi が導入されたケースが増えたことは皆様の声が届いた成果ではと認識しておりますが、残念ながら通信状態が 良くないというご指摘を、患者会の方のみならず、医療者の方からもお聞きしています。 この点につきましては、早急に改善されることを強く望んでおります。

また、2021 年当時よりも、Wi-Fi の導入やタブレットの配布が進んだことにより、前籍校とのオンラインでの繋がり(朝の会や授業への参加)が増えたことは、クラス内での子どもの存在感を維持できスムーズ な復学に繋がることや、復学を目標に治療を頑張ろうという意欲を高める、という意味においても、歓迎すべき変化と受け止めております。

皆様におかれましては、アンケート結果内容をご確認いただき、小児病棟における Wi-Fi 環境改善のため、及び入院時の教育状況改善のための資料として利用していただけましたら、大変光栄に存じます。

アンケート集計結果ダウンロード

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【参考資料】2021年調査・2024追跡調査 比較 ダウンロードする

アンケート集計結果を引用掲載される場合は、事前に小児がん患者会ネットワークへご連絡ください。
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